
遊戯王における頻出キーワード「対象を取る」と、それと間違えやすい「選んで(対象を取らない)」の違いをまとめました。
動画版も是非チェックしてみてください。
「対象を取る」効果
対戦の例

「死者への手向け」を発動。
手札を1枚捨て、「青眼の白龍」を対象に取り、破壊する。


そうはさせない!
「亜空間物質転送装置」を発動!
対象は「青眼の白龍」!


転送装置の効果で、ブルーアイズを一時的に除外!
これにより、「死者への手向け」は対象を失い、不発になる!

くっ・・・
「対象を取る」は、発動時にカードを指定する
対象を取る効果とは、発動時にカードを指定する効果です。
1枚指定する効果もあれば、《氷結界の龍 ブリューナク》のように2枚以上指定するカードもあります。
今回の例であれば、《死者への手向け》で《青眼の白龍》を対象に取り破壊しようとしましたが、チェーンして《亜空間物質転送装置》を発動されてしまいました。
チェーンが発生したことによりチェーンブロックが組まれ、逆順(後から発動した順)に効果処理されます。




この場合、死者への手向けをプレイしたプレイヤーは、亜空間物質転送装置で青眼の白龍を逃がされても、「じゃあブラック・マジシャンで」とは言えません。
対象に取る効果は、発動時にカードを選択する必要があるからです。
なので、ぴとま側は青眼の白龍を破壊しようとしていることが分かっているので、亜空間物質転送装置により、対象を外し、破壊を回避することが出来ました。
「対象を取る」効果を持つカードの見分け方
「対象に~発動」と書かれていれば、それはすべて対象に取る効果になります。
最近のテキストでは、対象に取る効果はすべてこう書いてありますので、間違えることはないでしょう。
しかし、表記が番号分けで統一される前に生産されて、かつ再録がないカードは、「対象に~」と必ず書かれているわけではなく、表記が違います。
昔のカードは、対象に取るカードのことを「選択して~」と書かれているので注意しましょう。
例えば、《賢者ケイローン》は発動と効果でテキストが分かれているためややこしいですが、これは「対象を取る」効果です。

獣戦士族 / 効果
ATK 1800 / DEF 1000
「選んで~(対象を取らない)」効果
対戦の例

「背徳の堕天使」を発動。
手札の「堕天使イシュタム」を捨て、カード1枚を選んで破壊する。


(懲りないヤツめ・・・w どうせブルーアイズだろw)
「亜空間物質転送装置」を発動!
対象は「青眼の白龍」!

転送装置の効果で、ブルーアイズを一時的に除外!
これにより、「背徳の堕天使」は対象を失

OK。
では「ブラック・マジシャン」を選んで破壊します。

!?
「選んで~(対象を取らない)」は、効果処理時にカードを指定する
選んで~を持つカードは、対象を取らず、効果処理時にカードを指定する効果です。
一見《死者への手向け》とほぼ同じような効果を持つ《背徳の堕天使》ですが、処理は全く異なります。
背徳の堕天使は、「対象に取って」とは書かれておらず、破壊するカードを「選んで~」というテキストになっています。
亜空間物質転送装置でブルーアイズを逃がしても、その時点では破壊するカードを選んでいません。
結果、亜空間物質転送装置の効果が先に処理され、場にはブラック・マジシャンが残っているため、「じゃあブラック・マジシャンで」と言えてしまうのです。




このように、「選んで~」のような対象を取らない効果は、こちらが罠カードなどのチェーンで応じても、それに合わせて攻め手を変えられる強力な性質を持っています。
また、背徳の堕天使のように対象に取らない除去は、《オベリスクの巨神兵》のように「対象にならない」効果を持っていても指定できてしまうため、カードの耐性にも強いです。
その他の対象を取らない効果
「選んで~」以外にも、対象に取らない効果は数多くあります。
あまり誤解することではないですが、その他の「対象を取らない効果」を念のためまとめておきます。
- 《地砕き》などのプレイヤーが選べない効果
- 《サンダー・ボルト》などの全体に効果が及ぶ効果
- 《封印の黄金櫃》、《押収》などの非公開領域に干渉する効果
- 《神の宣告》などの召喚・特殊召喚を無効にする効果
などなど。
対象の豆知識
対象にならないカードを対象にして発動できる?
例えば、《死者への手向け》を《オベリスクの巨神兵》を対象にして発動できるか。

幻神獣族 / 効果
ATK 4000 / DEF 4000
最安値:760円(駿河屋)
答えは「発動できない」です。
そのため、フィールドにオベリスクの巨神兵しかいない場合は、死者への手向けを発動することは出来ません。
対象になったカードにチェーンして、「対象にならない」耐性を付与する効果で守れる?
例えば、《強制脱出装置》の対象になったモンスターに対して、《禁じられた聖衣》をチェーンして発動した場合、効果を防ぐことが出来るか。


答えは「防げない」です。
既に対象になったカードに対して「対象にならない」効果を付与しても、効果は処理されてしまうため覚えておきましょう。
効果を受けないカードを対象にして発動できる?
例えば、《死者への手向け》を《サイレント・マジシャン LV8》を対象にして発動できるか。

魔法使い族 / 効果 / 特殊召喚
ATK 3500 / DEF 1000
答えは「発動できる」です。
サイレントマジシャンが受けないのは「効果」であり、対象に取るところまでは「効果」に含まれないためです。
ただ、発動したところでサイレントマジシャンは魔法カードの効果を受けないため破壊はできません。
どうしても手札のカードを墓地へ送りたい時などに役に立つかもしれないので、覚えておきましょう。
プレイヤーを対象に取る効果がある?
初期特有のガバガバテキストの例として挙げられる《精霊の鏡》。
プレイヤー1人を対象とする魔法の効果とありますが、プレイヤーを対象に取るカードは存在しないため、これを読んだだけではよく分かりません。
公式データベースには「プレイヤー1人に効果が及ぶ魔法カードのカードの発動にチェーンして発動します」とあり、これが正しいテキストになります。
これは《強欲な壺》や《治療の神 ディアン・ケト》のように、ライフや手札に干渉するカードに対して発動できる効果です。
複雑な効果故に一度も再録がないカードですが、マスターデュエルではちゃんと「プレイヤー1人に効果が及ぶ魔法カードの効果を他のプレイヤーに移し替える。」とテキストが変更されています。
やマ神。
「対象」は遊戯王をプレイする中で頻出するキーワードなため、覚えておきましょう。
コメント
「ジュラック・タイタン」に魔法カードの「死者への手向け」が発動できないわけないでしょう。ひどい間違いです。
すいません、効果を勘違いしていたので修正しました。
はじめまして。わかりやすい解説ありがとうございます。
記事とはあまり関係ないのですが、カードイラストに効果テキスト書かれていませんが全部手動で削っているのでしょうか?
ありがとうございます。海外のサイトにあるプロキシ作成ツールで用意しています。
賢者ケイローンについて、こちらの効果テキストはあたかも手札を捨てることが発動条件で「選択して〜」は効果処理(対象に取らない)のように見えますが、「選択して」という言葉はルール上は発動条件に含まれるということでしょうか?
つまり、同じ効果を現在のルールに当てはめると
「手札から魔法カードを一枚捨て、相手フィールド上の魔法・罠カードを対象に発動できる。そのカードを破壊する。」
ということでしょうか?
はい、みさんの解釈で合っていて、現在のテキストに置き換えるとそんな感じになります。
賢者ケイローンはテキストが整備されてからは再録されていないので、ややこしいですね。